全80話の歴史大河ドラマを手がけたのは、中国を代表するドラマ監督であるガオ・シーシー。総製作費約25億円、延べ15万人のエキストラを動員した大作「三国志 Three Kingdoms」の監督も務めた彼が、それをはるかに凌ぐ総製作費約35億円をかけて、中国ドラマ史上最大のスケールの大作を生み出した。中国人民解放軍空軍政治部電視芸術中心の監督であるガオ・シーシーは、兵士役のエキストラとして現役兵士を動員することができ、他国では実現しようがない人海戦術を駆使して、リアルな戦闘シーンを再現している。また、人民軍の訓練地も使用することができるガオ・シーシーは、宮殿や城壁などの大掛かりなセットを建造。炎上するスペクタクルシーンを生み出している最新のVFXにも注目だ。

溢れる人間力で人々を魅了する劉邦役は、映画「インファナル・アフェアⅢ 終極無間」のチェン・ダオミン。最強の覇王・項羽役は、アメリカ生まれの台湾育ち、日本映画にも出演経験がある国際派スター、ピーター・ホー。「三国志 Three Kingdoms」で演じた呂布と同じく、無類の強さを誇る項羽を演じている。劉邦を補佐する“漢の三傑”は、知将・韓信役をドアン・イーホン、英傑・蕭何役をヤン・リーシン、参謀・張良役を「三国志 Three Kingdoms」で魯粛に扮していたフォ・チンが演じている。また、項羽に知恵を授ける策士・范増にはスン・ハイインと、現代の中国俳優界を代表する名優たちが集結した。「三国志 Three Kingdoms」や、「水滸伝」などの役柄との対比をしてみるのもおもしろいだろう。

司馬遼太郎の小説「項羽と劉邦」、横山光輝の漫画「項羽と劉邦」などで、日本でも親しまれている項羽と劉邦の物語。紀元前206年に始まった楚漢戦争が2000年以上の時を超えて現代まで、そして日本にまで語り継がれてきたことは、故事成語の多さからも明らかだ。四面楚歌、国士無双、背水の陣、烏合の衆、捲土重来、乾坤一擲…。項羽と劉邦の戦いを表現する上で生まれたこれらの言葉が、現代の我々の生活に根付いていることは、すなわち彼らの物語が現代人にも教訓となり、共感でき、楽しめることの証と言えるだろう。そして、死が今よりもはるかに身近な時代に、熱く燃えるような人生を送った男たちの言葉には、男気が溢れている。「生まれた日が違えども、死ぬ日は同じ」「たとえ散るにしても華々しく散る」「この先に道はない。だが撤退はしない」。これらのセリフに漲る男気が、我々の心を熱く震わせるのだ。

女性が歴史に名を残すことが難しかった紀元前の中国にも、男たちを支え、鼓舞し、時には操るような、強く賢い女性たちがいた。劉邦の妻で、後に中国史上初めて皇后として歴史書に名を刻んだ呂雉を演じたのは、ドラマ「還珠格格3」で人気を博したチン・ラン。項羽の寵姫で、項羽が唯一頭が上がらない人物である虞姫に扮するのは、映画「私の少女時代」に障害を持つ医者役で主演したリー・イーシャオ。所作、舞踊、琴など、当時の女性たちの振る舞いを完璧に演じることができる中国女優陣の美貌と熱演に、魅了されること間違いなし。「項羽と劉邦〜KING’S WAR〜」は、女性たちの活躍にも注目して見るべき作品だ。

「項羽と劉邦」は秦の始皇帝が崩御するところから物語が始まる。その秦の礎を築き、項羽の祖国である楚の国との戦いを描いたドラマが「大秦帝国」である。また、「項羽と劉邦」の時代から、約400年後の中国を舞台にしたのが「三国志Three Kingdoms」「曹操」「三国演義」「蒼天航路」である。劉備は劉邦の子孫だと自称し、漢王朝復興をかかげているが、曹操もまた、劉邦の重臣・曹参の子孫。さらに曹操の臣下・夏侯惇、夏侯淵は、劉邦の配下・夏侯嬰の子孫だと言われている。時代背景が重なるドラマを合わせて観るとより一層楽しめるだろう。

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『項羽と劉邦』c中国国際電視総公司 『中国大河「三国志」』(C)中国伝媒大学電視制作中心、北京東方恒和影視文化有限公司 『中国歴史ドラマ 曹操』提供:染野企業電影工作室(C)電広伝媒文化発展有限公司 『中国大河ドラマ 三国演義』(C)1996 CCTV 中国中央電視台 『中国歴史ドラマ「孫子兵法」』(C)HUAYI BROTHERS MEDIA CORPORATION 『大秦帝国 縦横 =強国への道=』(C)China International TV Corporation 『中国ドラマ「水滸伝」』(C)2012 水滸伝

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