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松平定知の藤沢周平をよむ ~『橋ものがたり』より~ 藤沢周平原作の橋を舞台にした短編集「橋ものがたり」。その小説を片手に、松平定知さんが江戸の面影を探し、東京の橋を訪れる。

番組概要と放送スケジュール

この番組は、没後10年以上経ったいまも多くの人々に愛され、読み継がれてきた藤沢周平の時代小説を、藤沢作品の朗読をライフワークとする松平定知が読み解き、江戸人情の世界を堪能していただく番組です。

松平定知(まつだいらさだとも)

1969(昭和44)年NHK入局。高知放送局を経て、東京アナウンス室勤務。
2007(平成19)年12月からフリーに。

【これまでの主な担当番組】

「連想ゲーム」「NHK19時ニュース」「モーニングワイド」「NHKニュース11」など。
「NHKスペシャル」は『世紀を越えて』『中国』など100本以上。
現在「藤沢周平をよむ」(ラジオ深夜便)と当番組「その時歴史が動いた」を担当。

『約束』 (2010年4月放送)

幼なじみの幸助 (16)とお蝶(13)。「5年後に萬年橋で再会する」という二人だけの秘密の約束を心の支えとしながら、幸助とお蝶は多感な年頃を辛い奉公に明け暮れる。5年後の約束の日、萬年橋で待つ幸助だが、約束の時刻を過ぎてもお蝶は来ない。すっかり夜になった萬年橋に、ようやくお蝶が現れるが、5年の歳月がお蝶を変えていた。家の事情で客に体を売る酌婦となったことを知った幸助は、それでも二人で所帯を持とうと告げる。お蝶は泣きながら、しかし、「ここへきてよかった。もう、心残りはない」と幸助を振りきって去ってしまう。翌朝、お蝶の実家を幸助が訪ねてくる・・・長い別れの旅が終わろうとしていた。

『約束』 (2010年5月放送)

長屋に暮らす独身のおすみは、ある日、逃げ込んで来た殺人者を匿うことになってしまう。おすみには下駄職人の勝蔵という許婚がいたが、がさつで野卑な勝蔵のことを好きではなかった。男の世話をするうちに次第に心魅かれていくおすみ。男は新七といい、味噌問屋の手代で、女にだまされて店の金を使い込み、その女を刺して逃げていることを告白する。好きでもない男と一緒になり、自分も野卑な女になって行くのが相応の運命だと思っていた女に、突然おとずれた恋。小ぬか雨の降る日、自首する新七におすみは自分を連れて逃げてと頼むが、「もっと早く、会っていればよかった」と、言葉を残して新七はおすみのもとを去る・・・

『約束』 (2010年6月放送)

指物師の源作は、朝夕の通勤のとき両国橋の上ですれ違う娘に、いつしか淡い恋心を抱くようになる。あることで娘を助け、言葉を交わした源作だが彼の“思い違い”から女は自分の住まいの場所を偽ってしまう。源作に親方の娘との縁談話が持ち上がるが、それは娘の不始末を世間に隠す親方の画策だった。源作は、橋の上の娘を捜したが、教えられた場所にも女はいなかった。仲間に誘われるまま立ち寄った女郎屋で、源作は偶然にも女と再会する。おゆうという娘は、複雑な事情で女郎に身を落としていた。自分の思い違いとおゆうの素性を知った源作だが、おゆうは源作が考えていたとおり、つつましくあたたかい女だった・・・

『約束』 (2010年7月放送)

18歳で若狭屋に嫁いだ時、おもんは出生を孤児と偽っていたが、実は育ての親斧次郎がおり、人にいえない過去を抱えていた。夫の新太郎は性格も鷹揚で商いも順調だったが、おもんは最近、新太郎に女がいるという噂をきいた。ある日、見知らぬ男がおもんを訪ね、斧次郎が病に倒れたと告げる。博徒であった斧次郎と別れて5年。おもんは意を決して会いに行く。しかし斧次郎はすでに他界しており、それは、おもんを人質に金を奪おうという悪巧みだった。夫の新太郎は身代金を出すだろうか?大店のおかみとして何不自由なく暮らしていると思われた、おもんの秘密。事件をきっかけに、おもんは夫の真の優しさを知ることになる・・・

『小さな橋で』 (2010年8月放送)

広次(10)は近所の遊び仲間の誘いを我慢して、店で働いている姉・おりょうを迎えに行かなくてはならない。それは母親からの言いつけで、姉が重吉という手代とできており、夜遊びしないように連れて帰るためだが、広次にはまだ”できている”ということが解らない。その後、姉は駆け落ちした。広次は使い込みで逃亡中の父と再会するが、父は江戸には戻らないと告げ再び姿を消す。家に帰ると母が客と言う男と飲んでいた。嫌悪した広次は家を飛び出す。少年の広次が垣間見る大人の世界と成長物語。母に頼まれ、近所のおよしが家出した広次を迎えに来る。およしへの淡い恋心。帰り道、広次は突然理解する。俺、およしとできた。

『氷雨降る』 (2010年9月放送)

隠居を前にした吉兵衛は、家族から孤立していた。妻や息子との間の溝は深まっていくばかり。小さな店から現在の大店になるまで一所懸命働いたのは何のためだったのか。ある日、吉兵衛は橋の上で一人の女を助ける。川に身投げでもしそうな女を吉兵衛は放っておけなかった。女はおひさといったが、事情はいっさい語らない。人相の悪い男達の追っ手が迫るなか、色事ぬきで必死におひさを守り通す吉兵衛。初老の男に束の間おとずれた充足感とおひさへの揺れる心。しかし、ほどなく吉兵衛はおひさに男ができたことを知る事となる。周辺に忍び寄る魔の手ー。おひさとの別れー。吉兵衛の気持ちを表すような氷雨が降っている・・・

『殺すな』 (2010年10月放送)

吉蔵は船宿の抱え船頭だったが、3年前、船宿のおかみのお峯に誘われるまま駆け落ちした。お峯の魅力に逆らえなかった。人目を忍んだ暮しも二人には満ち足りていたが、お峯は徐々に元気を無くしていく。吉蔵は最近、お峯がもしかしたら、もとの家に戻りたいのではと疑っていた。長屋の浪人者善左エ門にお峯の見張り頼んで仕事に出かける吉蔵だったが、ある日、お峯の亭主に見つかってしまう。「この橋を渡ったら殺す」とお峯に告げる吉蔵。ほどなく前夫からの迎えが来た。戻る気持ちのお峯。追う吉蔵の本気を見てとった善左エ門は、「いとしかったら殺してはならん」という。善左エ門にはその昔、妻を斬った過去があった・・・

『まぼろしの橋』 (2010年11月放送)

おこうは、小さいころに呉服屋美濃屋の主人に拾われ、そのまま美濃屋の娘として育てられた。そのことは周知の事実で、おこうが美しい娘に育った18の時に美濃屋の跡取り息子・信次郎の嫁になることに世間の驚きはなかった。23歳の信次郎は、風采もよく商売にも熱心な若者でおこうは幸せな毎日を送った。ある日、おこうを実の父親の知り合いだという弥之助が訪ねて来る。父の話を聞くうち、おこうは弥之助自身が実の父ではと疑うが、それは金銭目当ての仕組まれた罠だった。事件後、夫から事の真相を聞いたおこうの脳裏に、5歳の頃の記憶、実父と別れた幻の橋が浮かんでいたが、もはや渡って行く男の背は見えなかった・・・

『吹く風は秋』 (2010年12月放送)

いかさま博奕がばれて逃亡し、7年ぶりに江戸に戻ってきた弥平(56)。久しぶりの江戸に心躍らせる弥平はある晩、ふと知り合った女郎のおさよの身の上話を聞く。亭主の借金苦から身を売ったが、夫の身受けを心待ちにしているのだという。気紛れに弥平は女の亭主という男に会うが、博奕にのめり込み、女を平気で捨てる極道だった。弥平は再びいかさまで金を手にするが、襲われた相手を刺してしまう。逃げる途中の危険を冒し、弥平は気になっていたおさよに会い、女郎屋から足抜けに必要な金、60両を手渡す。二度と江戸には戻れないと思いながら、老いの迫る弥平は、おさよに死んだ自分の女房への想いを重ね合わせていた・・・

『川霧』 (2011年1月放送)

おさとが新蔵のもとから突然消えて1年半がたつ。出会ったのは6年前、蒔絵師としてようやく一人前の職人になりかけた新蔵が、永代橋で倒れたおさとを介抱したのがきっかけだった。おさとが客に体を売る女であることを知っても新蔵は謎めいたおさとに魅かれていく。おさとのことを何一つ知らないまま二人の生活が始まった。だが、おさとは突然消えた。必死に捜し回った新蔵は、おさとには大工職人の夫がいて、博奕に手を出したのをきっかけに島送りになった事実を知る。すべての謎が解けた。亭主が島から戻ったのだ。諦めなければ・・・しかし一緒に過ごした幸せな日々が鮮やかに甦る。その時、橋を渡る人影が見えた・・・

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