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街道をゆく第9話:島原・天草の諸道

原城は、終日太陽に照らされる「日暮城」(ひぐらしじょう)と言われ、ここに居れば「人を楽天家にするのではないか?ただしそれも有馬氏の政事だけのことで、東方からやって来た松倉氏がこの城の建物を壊し、石垣を張り、元の孤立台地にしてからは周りの景観は変わらないとはいえ、歴史が陰惨で辿るに忍びない」と、司馬さんはキリシタン農民が立てこもった原城跡で書きました。360年前、松倉氏の圧制に耐えかねたキリシタン農民3万7千人は、ここで悲惨な最期を遂げたのです。松倉重政は関が原で手柄をあげ、徳川家康から島原半島を与えられましたが、島原城を築くために農民を絞りに絞りました。16世紀末、島原半島の農民は禁制下でも信仰を守っていましたが、1625年、重政が参勤交代で徳川三代将軍家光に謁見の際、「キリシタンに手ぬるい」と叱られ、以後弾圧を更に激しくしたのです。天草の島々を巡りながら、「史上まれにみる悲惨な出来事は、幕府側の対応のまずさにあった」、と司馬さんは考えています。

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