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街道をゆく第31話:河内みち

司馬さんは東大阪市、河内の八戸ノ里に住んでいました。奈良県から流れてきた大和川は水郷を造り河内は肥沃な土地でしたが、しばしば洪水を起こしてきました。江戸時代、河内の庄屋、中 甚兵衛は19歳から半世紀にわたり幕府に働きかけて大和川の付け替え工事を指揮し、以後洪水はなくなりました。その執拗な執念こそ河内気質だというのです。河内の南部、葛城山の中腹にある高貴寺は、空海が中国から帰国後、修行した寺です。その南、弘川寺は23歳で出家して生涯漂白の旅をした西行の終焉の地。司馬さんは、西行に憧れ江戸中期の「今西行」といわれた歌人・似雲(じうん)法師に関を持っていました。似雲は弘川寺で西行の墓を見つけて自分の墓もその傍に造るように遺言しました。金剛山の麓の観心寺、後醍醐天皇に仕えた南朝の将、楠木正成の首塚があります。若江のだんじり祭りで「闇の中で集団発狂したような」男たちについて司馬さんは万葉語でいう「醜男」(しこお)を思い出していました。「醜男」とは、「強い男」のことで、執拗で剛毅、権力から自由な気質こそ河内気質だと司馬さん。

旅程地図

河内みち 旅程地図

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