一夫多妻制が社会の掟であっても「女の嫉妬」はあるんです。

今回、一夫多妻制についてお話をしたいのですが、世界へ出ていくと、日本とは婚姻の制度がまったく違ったり、我々の常識では計り知れないような現実があるじゃないですか。例えば、ヨシダさんが撮影して来られたアフリカの国々ではいかがでしたか?
少数民族の中では一夫多妻制が多いのですが、左の写真のヒンバ族は男性文化で、女性たちは結婚や一夫多妻制を受け入れるしかない。彼女たちはそれが当たり前だと思っているのですが、「嫉妬とかないの?」と聞いたら「嫉妬はある」と言っていました。
嫉妬はあるんですね。社会の掟だと受け入れていても嫉妬はあるんだ。
はい。4人の女性に聞いて全員が「ある」と答えていました。彼女たちは、同じ旦那さんと結婚しているのですが、彼には23人の奥さんがいて、各奥さんの寝床を2晩ごとに回るらしいです。
じゃあ、奥さんを一周回るのにどれぐらいかかるの?
一か月じゃ回りきれないんですよ。
イスラムの世界は、奥さんは4人まで持っていいけれど、その代り4人は平等に扱わなければいけないというルールや、最初に結婚した奥さんの了解がなければ2番目の奥さんは結婚できないという決まりがあります。アフリカの民族にも制度やシステムがあると思うのですが、それでも割り切れない「女の嫉妬」みたいなものがあるわけなんですね。嫉妬の表現方法としてはどんなことをするんですか?
ヒンバ族のルールでは「嫉妬している」ということは、言っちゃいけないらしいんです。それでも悔しい思いもあるので、旦那さんが回ってきたときに見せつけるかのようにあえぎ声を大きく出すらしいです。「私が今日は相手されているのよ」というのを見せつけるために。
「私と夫は燃え上がっているのよ」ってアピールするんだ。
それを聞いたほかの奥さんは、「私はもっと激しいのよ」ってアピールするためにさらに大きな声を出したり…となっていくそうです。
我々の世界じゃ考えられない話ですね。私もプライベートではいろいろあったので(笑)、今みたいな話を聞くとゾクゾクっとします。

山路徹 山路徹

一夫多妻制は、決して男性優位の楽しい制度ではないと思う。

中国ドラマ「名家の妻たち」をご覧になっていかがでしたか。
女性同士の醜い争いにすごくイライラしました。
でも、妻たちの激しい内面にあるドロドロとした争いも、先ほどお話に出た嫉妬という面では一緒ですよね。
でも、アフリカで見てきた彼女たちには、別の女性を蹴落としてやろうとか、自分が正妻になろうというのはないんですよ。
一人一人が立場をわきまえているということですか?
わきまえていますし、全員で助け合っている家族なんですよ。だから、自分の子じゃなくても同じ旦那さんの子として仲良く生活しているので、ドラマの世界とは違いますね。
ヨシダさんの話を聞いていると、とてもすばらしい世界に聞こえますが、ヨシダさん自身は一夫多妻制にはどういうご見解ですか?
男性にとってすごく都合のいい話だなと思いますね。実は、今回のドラマで、私が一番イライラしたのは、あの旦那さんです。どこの国でも一夫多妻制のベースには平等に愛情を注ぐというルールがあると思うんですよ。でも、このドラマの旦那さんは、どうみても全然平等じゃない。特に正妻は置き去りにされている感じがしました。正妻とは信頼関係もあるし、情もあると思うんですよ。でも、愛情があるかということは、2話までの段階では、全然感じられませんでした。
僕は、あの旦那さんを見て「大変そうだな」と思いました。やっぱり、みんなを平等に愛するなんて多分できないと思うんですよ。愛し方も相手によって変わるだろうし、平等ということを義務化されると男性としてすごくプレッシャーだなと思いますね。だから、一夫多妻制は、決して男性優位の楽しい制度ではないと思うんですよね。
劇中に、正妻が実母から「夫なんていうのはみんなで共有すればいい」って言われるシーンがありましたが、このドラマでの一夫多妻制は、男性優位じゃなくて男性が女性に利用されている。だから正妻への愛情がいまいち見えないのかもしれません。
でも、ストーリー上では、正妻が一番のキーパーソンですよね。僕は、彼女が策略、謀略を計り、力を手にしようとする姿に「うわ、これはやばいな」と思いました。ドラマって1~2話では、なかなか関係性や展開が見えないじゃないですか。でも、このドラマは、1話ですでにストーリー展開や構図を教えてくれる。こういうポジションで今から妻たちが戦っていきますよと教えてくれる。僕は一気に引き込まれましたね。

ヨシダナギ ヨシダナギ

愛情をお互い求めなければ、一夫多妻制は女性にとってもいい制度になるかも。

奥さん全員が旦那さんからの愛情を求めなければ、一夫多妻制はいいと私は思うんです。愛することも愛されることも求めなければ、理にかなっている制度。面倒を見てもらえて、旦那が毎日はいなくて。すごいせいせいすると思うんです。愛情をお互い求めなければ、一夫多妻制は、女性にもすごくいい制度になるかなって思います。
僕が考える一夫多妻制は、家庭を守ってくれる妻、家事から子供の教育までしっかりやってくれる妻、一方で、デートをする妻、そして、大事なのは、男女の営みを一緒にする妻。それぞれのキャラが揃っている一夫多妻制がいいですね。まあ、これは勝手な夢物語ですけど、それぐらいの役割分担ができていたら理想的です。
また、女性の方も、先ほどヨシダさんがおっしゃったように、現金輸送車みたいに毎月生活費だけ入れてくれるのが理想の旦那さん、と思っている人も中にはいると思うんです。そういう意味でも一夫多妻っていうのはありかなと思います。
でも、一夫多妻制より一妻多夫制のほうがいいと思います。
アンケートにもそういう意見がありました。「一妻多夫制がいい。複数の収入があるし。収入がいっぱい入ってきて子育ての手も足りるし、たくさん夫がいるので浮気したらリストラしやすい」。
(笑)
非常に現実的なご意見をお持ちの方がいらっしゃいますけど。でも、これから100年先、200年先、…、世界はどんどん変化していき、もしかしたらもう1回一夫多妻制や一妻多夫制が戻ってくる可能性もありますから。そんなことを考えながら、中国ドラマ「名家の妻たち」を観ていると単なるドラマのストーリー展開を見せられているだけではなくて、いろんなことを考えるきっかけを与えてくれてものすごく楽しめますよ。

今の日本だからこそこのドラマを観てほしい。

まあ、いろんな与太話をしてしまいましたけど、いずれにしても僕はこのドラマ、一夫多妻って最近あまり聞かなくなった言葉ですけど、逆にいうと今の日本だからこそこのドラマを観てみなさんいろいろ考えてみてほしいなと思っております。
女の目から見ると、出てくる女性全員の気持ちが分かると思うので、観ていてイライラはしますけど、理解もできちゃうのでそういう意味ではおもしろいかなと思います。
女性の立場で、それぞれの奥さんに心を寄せちゃうわけですよね。例えば、3番目の妻に子どもができたときに、子どものいない他の妻たちがみんなで妨害したりするような気持ちも分かる?
分からなくはないですね。
そういった意味で非常に見ごたえのあるドラマですよね。どうぞみなさん、11月からの放送をお楽しみに。

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プロフィール

山路徹Toru Yamaji

TBSテレビ、テレビ朝日系プロダクションを経て92年に独立し、国内初の紛争地専門の独立系ニュース通信社である「APF通信社」を設立。初婚は一般人女性で、その後2人のインテリタレントと結婚するも3度の離婚を経験。様々な修羅場をくぐり抜けた。

ヨシダナギNagi Yoshida

1986年生まれ、フォトグラファー。独学で写真を学び2009年単身アフリカへ渡航、少数民族の撮影を開始。現在はアフリカをはじめとする世界中の少数民族の作品を発表。その唯一無二の色彩と裸族と共に裸になるその奔放な生き方が評価され、TBS系列の深夜番組「クレイジージャーニー」をはじめとするTV、雑誌などに出演中。

中国ドラマ「名家の妻たち」

不倫ドラマはもう古い!?
一夫多妻制の下で繰り広げられる
妻たちの争いを描く衝撃作が、いよいよ日本初放送!

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番組概要

“夫への愛が美しき妻たちを狂わせる……”
一夫多妻制が残る1900年代初頭の中国を舞台に、夫の愛を得ようと激しく火花を散らす女性たちの闘争を描いた涙と戦慄のドラマ。美しき6人の妻たちによる寵愛争い、嫁姑の対立、兄弟の跡目争いなど、物語は波瀾尽くし。先の読めないストーリー展開に、本国で放送回数を増すごとに視聴率を伸ばし続け、中国本土のみならず、台湾、韓国、アメリカでも放送された話題作。

番組特設サイトはこちら 番組特設サイトはこちら

2016年10月30日(日)
1・2話先行無料放送
11月9日(水)本放送スタート

視聴方法

中国ドラマ「名家の妻たち」を観るならスカパー!がおすすめ! 中国ドラマ「名家の妻たち」を観るならスカパー!がおすすめ!

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